医科婦人科にて手術時に患者様の覆布への引火による火傷の医療事故が報じられています、弊社製品では接触型プローブの使用により接触以外では熱影響が発生しないよう設計されていますが、麻酔ガスを含んだ高濃度酸素下では非接触であっても引火の危険性があります、充分にご注意ください。
他社レーザーでの医科産婦人科手術時の引火火傷事故に関する報道
オートクレーブ滅菌時のファイバ変形について
【2011/6/9 ファイバ変形事故】
イエローインサートファイバ(B550T)をステンレス製トレイに載せてオートクレーブ滅菌を行ったところ、
下写真のようにファイバジャケットが熱変形し、トレイに溶着する事故が発生しました。
原因はステンレストレイが熱伝導などによりオートクレーブの設定温度を大きく上回る温度に過熱し、
トレイと接触していたファイバの一部が熱変形したためと思われます。
オートクレーブ使用時はそのアクセサリがオートクレーブに対応しているかどうかをご確認の上、滅菌袋またはドレープに包んだ状態で滅菌してください。
レーザー使用時の引火事故について
現在までに下記のような引火事故が報告されています。
【2005/6/15 気管チューブへの引火事故】
犬の声帯切除術中に、レーザーファイバー先端が気管チューブへ接触し、引火。
咽頭部および気管上部に熱傷を負わせる。
高濃度酸素の環境下で麻酔ガス(イソフルレン)と気管チューブが激しく燃焼したものと思われます。
患畜は痛みを訴えるもその後回復。
先端部が焦げた気管チューブ
【2005(月日不明) ハムスター頚背部への引火事故】
ハムスターの頸部腫瘍をICG凝固術中に、麻酔ガスへ引火。
術野とガス吐出部が近かったため、体毛、或いは炭化層で発生した火花が引火したものと思われます。
患畜は頭部の被毛を焦がし、角膜に損傷受ける。
術前の様子(引火事故前)
【2007/11(日不明) 吸引マスクへの引火事故】
子犬の狼爪切除術中に有窓布の下へ溜まった麻酔ガスへ引火。
麻酔ガスの吸引マスクにも燃え広がり、患畜の顔面熱傷を負わせる。
顔面熱傷の状況
レーザー使用時の引火事故を防止するため、次の点に注意してください。
- レーザー使用時には麻酔ガスを停止し、滞留しているガスを団扇や扇風機などで通風させて拡散させる。
- 麻酔は筋肉注射(ケタミン等)で代用する。
- 気管チューブなど燃えやすいものは濡らしたガーゼなどで保護する。
- マスクと頭部の隙間からガスが漏れるのを防ぐため、よくフィッティングさせる。
手術用手袋を応用したマスクのフィッティング