椎間板ヘルニア・疼痛緩和・創傷治癒

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは椎間板の中身である髄核が飛び出し、脊髄を圧迫する事により発生する病気です、飛び出し型と症状により下記のように分類されています。

椎間板ヘルニアの分類Ⅰ(ハンセン分類)

type1
急性に症状が発生するハンセンⅠ型

type2
慢性的に症状が進行するハンセンⅡ型

椎間板ヘルニアの分類Ⅱ(グレード)

グレード1 麻痺は無いが、抱きかかえた時に痛みを訴えたり、これまで可能だった段差の上り下りが出来なくなったりする。
グレード2 歩行可能だが、後ろ足をすりながら歩いたり、ふらふら歩いたりする。
グレード3 麻痺が発生、後ろ足を引きずって前足だけで歩く。
グレード4 排尿麻痺発生、おしっこを垂れ流すようになる。
グレード5 深部痛覚消失、後ろ足は痛みを全く感じなくなります。

椎間板ヘルニアに対するレーザー治療

椎間板ヘルニアに対するレーザー治療としては、レーザー光を外部から照射する事により症状を緩和させるセラピー治療とX線透視下にて細い針を椎間板に刺し、針の中にレーザーファイバーを通して髄核に直接照射するPLDD治療とがあります。ヘルニアの飛び出し型、症状によってどの方法を選ぶかが決まります。

セラピー治療

ハンセン分類には関係なく、グレード1,2、3の状態であれば効果が期待できます、麻酔不要で5分程度の治療時間です、週2回程度の治療を一定期間続ける必要があります。効果は少しずつ出てくる事が多く、全く効果がない事もあります、痛みや炎症を緩和させているだけなので症状が再発する事も多く、椎間板ヘルニアが根治するとは考えられていません。体への負担の少ない治療である事が最大の利点です。

PLDD

ハンセン分類Ⅱ型でグレード1,2,3,4の状態であれば効果が期待できます、全身麻酔下で30分程度1回だけの治療です、1週間程度で効果が現れてきます。再発の可能性も低く、複数の椎間板を一度に治療する事も可能です。最近では予防目的にも使用され始めています。骨を削らないので手術よりは体への負担が少ないのですが、適応をしっかりと見定める必要があります。

【治療のポイント】

椎間板ヘルニアの種類、症状を見定める事がなにより大切です、グレード5であれば早急に外科手術が必要で、動物の場合脊髄を圧迫する為、命に関わる場合もあります。X線、CT、MRI等の画像検査と診察により種類、症状が決定されます。症状が軽ければ体の負担の少ない治療から始めるのが良いのではないでしょうか。

疼痛緩和・創傷治癒

レーザー光には痛みと炎症を緩和し、創傷治癒を早める効果がある事がわかっています。
一箇所につき30秒~5分程度の治療を、週1~2回程度一定期間続ける必要があります。1~5回の治療で効果が現れてくる事が多く、薬の副作用等の心配も無用です。

近年は高出力レーザーを使用する事により、より高い効果が報告されています。

【治療のポイント】

高出力レーザー照射(5W以上)をまずは始めるのが良いのではないでしょうか。